2005年04月13日

スカイ・クロラ

スカイ・クロラ』(中央公論新社)森博嗣

森作品では珍しい、独自の公式サイトを持つ作品であります。
書き下ろしです。これまでの中で最も森博嗣の本質に近い作品だと思います。だから、きっと売れない・・。
浮遊工作室(ミステリィ製作部) by 森博嗣の浮遊工作室

と森先生はおっしゃってます。
これまで読んだ森作品とは違った読み応えがありました。
なんていうか、悪く言えば国語の教科書、良く言えば文学風という感じでしょうか。
決して悪評ではなく、ワシの語彙が貧弱なだけです。
この作品は、とくにミステリではありません。
少なくとも、ワシはそう思っていません。

一言感想:「作られた人ほど過去に執着するのかな」
つまり、欲しいという感情は(持って)無いから生まれるのであり、この作品の登場人物たちは必死にその感情を押し殺している(その感情が外に出ないように蓋をしている)、という気がしました。
『世にも奇妙な物語』で人工的に記憶を作られた人が、それに気づき始めて奔走する、という話しがありましたが、それを思い出して、シンクロしてしまった結果の感想です。
ロンドンは作られていない by 世にも奇妙な物語92'冬の特別編

この作品のBGM(といっても実際に音楽を流して読んでいたわけではありませんが)は…
人間はみんな弱いけど
夢は必ず叶うんだ。
ひとみの中に眠りかけた
挫けないココロ。
今にも目からこぼれそうな
涙のワケが言えません。
今日も明日もあさっても
なにかを探すでしょう。
・『僕の右手』 by THE BLUE HEARTS

もちろん、もともとは曲名からの安直な連想ですが、歌詞を読んでみると、意外にもシンクロしてると思ったのです。

最後に、印象に残ったフレーズを記録しておきます。
 しかし、そんなデータにどれほどの価値があるのか。スポーツのように、対戦相手が事前にわかっているならば別だが。それに、敗者が黙ってしまうので、基本的に負けたときのノウハウが充分には活かされないゲームなのだ。

「戦争」の主観的な定義として、巧く表現していると思いました。
戦争の当事者でかつ大人である人たちは、このことに気づかないか、気づいても言い出せないか、気づいたけど無視すべきだと判断しているんでしょう。

ワシは、冒頭の3つの過ちを犯さないよう、子供でい続けたいと思いました。


posted by skip at 22:02| Comment(0) | TrackBack(0) | ミステリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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